今回は仮面ライダーオーズ
第13話 『シャム猫とストレスと天才外科』
第14話 『プライドと手術と秘密』
から学んだことを紹介させてください。
天才外科医の話なのですが、それもよりも鴻上会長と後藤隊長のやりとりが面白かったので、その話についての学びです。
今回紹介するシーンで、鴻上会長がブラック企業の管理者に見えました。。。
シーンの紹介
里中が休暇を取ることになり、代役を後藤に任せると鴻上会長から命令が下った。
主に鴻上会長が作ったケーキを食べるという仕事らしい。
しかし、後藤はケーキを食べる仕事を部下に任せ、ヤミーや火野映司たちに接近する。
そのあと、後藤は鴻上会長の元に戻る。
そこで、部下がケーキを食べ過ぎて倒れる。
ここでの後藤と会長のやりとり。
後藤「見苦しいところを申し訳ございません」
鴻上「ほお。キミには見苦しく見えるのか。彼は死に物ぐらいだったんだよ!会長である私に気に入られようとして。里中くんレベルになれば、食べろと言うまで食べ続ける。キミに彼らと同じことができるか?
後藤「するつもりはありません。それこそ見苦しいとしか・・・」
鴻上「後藤君。キミが今ひとつ吹っ切れない原因はそのプライドだ!欲望をプライドで抑え込んでいる。非常につまらない」
しかし、後藤は
”プライドを捨てたら終わりだ”と心の中でつぶやき、鴻上の助言を無視し、ヤミーを追いかけ続ける。
「欲望をプライドで抑え込んでいる?」論点違うのでは?
「欲望をプライドで抑え込んでいる」
宇梶剛士さん演じる鴻上会長の勢いのある演技で騙されそうになりますが、
論点がスリ替わっている
のではないか?
後藤隊長に欲望とプライドの2択で迫りますが、
これは欲望とプライドの話ではなく、
”目的と手段”で考える問題だと思いました。
鴻上会長は後藤隊長の部下と里中さんを比較対象にして、
後藤隊長に
「キミにそこまでできるか?」
と迫るシーンがあります。
しかし、そもそも比較対象する人たちと後藤隊長とでは全く目的が違います。
後藤隊長の部下が食べたくないケーキを無理やり食べるのは
”鴻上会長に気に入られたい”
という目的があったから。
里中さんは
”お金をもらえる”
という目的があったからです。
なので彼らは”ケーキを食べる”という手段を選んだ。
対して、後藤さんの目的は
「世界を守りたい」
ということなので、ケーキを食べる理由が薄いわけです。
完全にケーキを食べる理由がないわけではないです。
命令どおりにケーキを食べて鴻上会長から認められるようになれば、様々な権限が与えられ、世界を守ることに繋がるかもしれない。
以下のような感じで、間接的には繋がると思います。
会長の言うとおりにケーキを食べる(手段)
↓
会長に気に入られる
↓
会長から権限が与えられ動きやすくなる
↓
世界を守りやすくなる(目的)
・・・
手段と目的の距離感遠すぎる!
特にキモなのが”会長から気に入られた”からって”権限が与えられる保証はない”というところです。
そんなことしているなら会長の指示無視して、ヤミーを倒しにいったほうが直接的に世界を守れるわけです。
世界を守るためにケーキを食べていたらいつまで立っても世界は守れないわけです。
なので、後藤隊長としてはシーンのなかで
”プライドを捨てたら終わりだ”
と心の中でつぶやいていますが、それもそうかもしれませんが、
「目的と手段が直結しないのでケーキを食べない」
というのがより正しい考え方だと思います。
現実でも有り得る話
この問題は現実でも有り得る話だと思っています。
例えば企業の管理者や、下手すると自分の家族(親・兄弟)なども、意識的なのか無意識的なのかわかりませんが、以下の2つを合わせ技で使ってきます。
- 論点のスリ替え
- 比較しても意味のない人と比較させる
そんなときは、自分の目的は何か?
そして、目的と手段に対して、どれだけ距離感が離れているか考えると、明確に断ることができます。
または無視することができます。
ブラック企業管理職「○○くんはキミより社内作業しているね!」
私「そうですねぇ~(○○くんと私の目的、違うし・・・このアドバイスは無視)」
ってな感じです。
私も会社や周囲の人間がよくやっていますので、気をつけたいと思っています。
自分も誰かに対して無意識にやってるかもしれない。。
気をつけよう。。
出演者の演技に注目”田宮五郎”さん
この話の中で、ベテラン医者が登場します。
その演技が一際光っていたので、調べたら
”田宮五郎”さんという方でした。
「白い巨塔」で有名な田宮二郎さんの息子さんで、父親の遺言で60種類以上の職業(司法書士、料理人、大工、造園業)を経験して、俳優デビューしたのですが、
47歳の若さでお亡くなりになりました。
演技には深みや鬼気迫るものがありました。
特に、彼が演じるベテラン医者の代わりに天才外科医が執刀し、見事に手術が成功したときに
天才外科医が「やっと外科医の入り口に立てた」
といった時の、バランスの取れた顔。
大きく頷くわけでもないし、若干、嫉妬が入った上で認めているような顔。
リアリティーがあります。
素人の私でも、目を引くってことはかなりの演技力なのではないでしょうか?
やはり、様々な職業を経験されたからなのでしょうね。